皇居ラン巡るトラブル、千代田区が実態調査へ 防犯カメラ設置など検討
皇居ラン巡るトラブル、千代田区が実態調査へ 防犯カメラ設置など検討

皇居外周の歩道でランナーと歩行者のトラブルの報告が相次いでいるとして、千代田区は1日の区議会で、ランナーのマナー違反について実態調査を行う方針を明らかにした。区によると、今年度内にも実施し、調査結果を踏まえ、注意喚起の看板の増設や防犯カメラ設置などの対策を検討する。

背景にランナー急増と苦情の増加

皇居外周でのジョギングは「皇居ラン」と呼ばれ、区などによると、2007年に始まった東京マラソンや健康志向の高まりの影響で、08年頃からランナーが急増した。1周5キロのコースに信号がなく、皇居を見ながらノンストップで走れることから人気を集めている。

一方で、歩行者からは「道を譲るよう威嚇された」「横に広がって走る集団にぶつかって転倒した」といった苦情が相次いで寄せられているという。SNS上では「皇居ランを禁止するべきだ」との投稿もある。

調査内容と対策の方向性

区は今後、道幅の狭い場所やカーブ地点を中心に、歩行者への威嚇や接触、逆走などがないか確認する。ランナーや歩行者へのヒアリングも検討しているほか、自転車利用者も含めた早朝から夜間の交通量調査を行う方針。

皇居ランを巡っては、「狭いところは一列に」「周回は反時計回り」「タイムよりゆとり」など9項目の利用マナーがある。区や都、警察などでつくる委員会が実態調査を行い、13年に策定したもので、近くの区道では約20か所に掲示している。前回の実態調査から10年以上が経過したことに加えて、最近のSNSの投稿も踏まえ、実態調査を実施することにしたという。

区は「利用者の安全を守るため、状況を具体的に把握し、有効な対策を講じていきたい」としている。

利用者や専門家の声

仕事後にほぼ毎日、皇居ランをする文京区の男性会社員(26)は「夜間はついスピードが出てしまうが、歩行者をしっかり確認して接触しないように注意している」と語る。訪日外国人の逆走や、集団で走るランナーが歩行者と接触しそうになった場面を何度か見たといい、「一部のマナーを守らない人のせいで、皇居ランの印象が悪くなっているとしたら残念」と話した。

マラソン解説者の金哲彦さん(62)は「初心者が人に教えてもらったり、会話を楽しんだりしながら走り、前方不注意となって歩行者と接触する例が多いのではないか」と分析。その上で、「自転車ぐらい速く走るランナーもいる。無防備な歩行者と接触したら大事故になりかねない。ランナーが事前にマナーを確認するのはもちろんだが、ランナーの専用ゾーンを設けるのもトラブル回避の方法ではないか」と話した。

皇居ランの経験があるマラソンランナーの谷川真理さん(63)は「歩行者や観光客など全ての人が気持ちよく使えるよう、ランナーは譲り合いの精神を強く持たなくてはいけない」と呼びかけた。

皇居周辺の歩道での主なマナーは、「狭いところは一列に」「歩行者優先」「ながら通行は控える」「周回は反時計回り」「タイムよりゆとり」「ゴミは必ず持ち帰る」など。