赤ちゃんポスト預けられた当事者が初の自伝「生まれてきて、よかった」発売
赤ちゃんポスト預けられた当事者が初の自伝発売

いわゆる赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」に預けられた当事者による初の自伝『生まれてきて、よかった』(熊日出版)が、2026年7月19日に発売された。著者は熊本県の慈恵病院が運用を始めた初日に預けられた宮津航一氏(22)。

「ゆりかご」に預けられた経緯

2007年5月10日午後、開設から数時間後、宮津氏は親戚によって預けられた。当時3歳だったため、預けた人の顔や状況をほとんど覚えていないという。その後、児童相談所を経て里親に引き取られ、血のつながりのない兄たちや学校の先生、地域の人々に見守られながら成長した。

本書では、実の親を知りたいという気持ちと生い立ちを知られる恐怖の間で揺れる幼少期の心情を、本人の言葉で綴っている。大学進学を機に「子ども大学くまもと」を設立し、講演活動を通じて命の大切さを広める活動も行っている。

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22歳の今、伝えたいこと

現在22歳となった宮津氏は、同じ境遇の子どもへのメッセージ、預けた親戚への思い、出自をめぐる議論について当事者ならではの視点で語る。自伝のタイトル『生まれてきて、よかった』には、自身の存在を肯定し、同じような経験を持つ子どもたちに希望を届けたいという願いが込められている。

書籍の定価は1650円(本体1500円+税)。仕様は四六判、並製本、206ページ。目次は全7章構成で、第1章「ゆりかごに預けられて」、第2章「生い立ちをたどる」、第3章「さまざまな挑戦」、第4章「当事者としての思い」、第5章「子ども大学」、第6章「子どもたちの支援を」、第7章「今、伝えたいこと」となっている。

「こうのとりのゆりかご」とは

「こうのとりのゆりかご」は、親が育てられない子どもを匿名でも預かる制度で、熊本県の慈恵病院が2007年5月10日に運用を開始した。宮津氏はその初日に預けられた第一号の子どもであり、今回の自伝は預けられた当事者による初の書籍となる。

宮津氏は「この本を通じて、同じような境遇の子どもたちが自分の存在を肯定的に捉えられるきっかけになれば」とコメントしている。

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