アジア大会、台風26号接近で宿舎の高潮対策に苦慮 クルーズ船退避も
アジア大会、台風26号接近で宿舎の高潮対策に苦慮

愛知・名古屋アジア競技大会(読売新聞社協賛)は、10月4日までの会期が台風シーズンと重なり、警報級の大雨が予想される台風26号が日本列島に近づいている。名古屋市の沿岸部のコンテナ型の移動式宿泊施設やクルーズ船には一部の選手らが宿泊しており、大会組織委員会は荒天時への対策に苦慮している。

選手村を建設せず、港に宿泊施設

今大会は経費節減のため、選手村の建設を見送った。1万5000人超の選手らはホテルのほか、同市港区の名古屋港ガーデンふ頭に設置されたコンテナ施設に約2000人、港内に停泊するクルーズ船に約4000人が宿泊する。

コンテナ施設は、防潮堤外側の海に近い場所にあるため、高潮や津波などが発生する恐れがある場合、選手らは陸側のビルなどへ避難する必要がある。防潮堤の扉は「レベル3高潮警報」や津波警報が出ると閉鎖されるため、組織委は大会前、選手らを誘導する訓練を行った。

クルーズ船の退避と気象情報センター

名古屋港が台風の暴風域にかかる恐れがある場合、クルーズ船は岸壁に接触する恐れがあり、選手らを乗せたまま港外に退避させるという。

同市内にある組織委には気象情報センターが設けられ、気象庁出身者をセンター長に24時間態勢で気象情報を提供している。悪天候の影響を受けやすい競技会場には予報技術者も派遣している。

開幕前の今月8日、名古屋市中心部などが記録的な大雨に見舞われた際には、同センターがコンテナ施設の担当者らにオンラインで気象状況を説明し、周辺にいた選手ら約400人の避難につながった。組織委の担当者は「競技場の運営担当者らと連携し、円滑な運営に努める」としている。

チケット販売が100万枚に到達

アジア大会の組織委員会は29日、大会全体のチケット販売数が100万枚に到達したと発表した。販売枚数の公表は初めてで、「多くの競技に関心と期待が寄せられた結果」としている。販売予定枚数(今春時点)は230万枚だった。

発表では、バスケットボールやレスリングなどで販売率が9割以上となる一方、サッカーやクリケットなどは6割未満にとどまる。組織委は29日、閉会式(10月4日)のチケットに関し、視野が一部制限される席を割安に販売すると発表した。開会式では、収容人数約3万人の会場に約2万人が訪れたが、空席が目立つとの指摘が出ていた。