与野党で構成する社会保障国民会議は29日、消費減税について意見を集約できないまま中間報告をまとめ、判断を高市早苗首相に委ねた。2月の設置から約5カ月、22回の実務者会議を重ねたが、議論が深まらなかった責任の多くは、交わされた意見を反映せず結論をまとめようとするなど、当初の目的からかけ離れた運営に走った与党側にある。
野党から遺憾の声
国民民主党の古川元久代表代行は会議後、記者団に「与党が(消費減税の)公約にこだわった結果、合意がまとまらなかったことは極めて遺憾だ」と述べた。
首相の姿勢に変化
昨年10月の首相就任直後、高市首相は国民会議の目的を「社会保障制度における給付と負担の在り方について国民的議論が必要」と語っていた。当時は与党が衆参両院で過半数に達していなかったため、丁寧な議論で野党の理解を得る考えとみられた。しかし、自民党が消費減税の「検討の加速」を公約に掲げて圧勝した2月の衆院選後、政府・与党の姿勢は一変。政権幹部は「当初は野党と合意する必要があったが、そうではなくなった」と振り返る。
参加条件で野党排除
首相は選挙後の演説で、国民会議に参加する政党に「消費税が社会保障の重要な財源だと認識しつつ、給付付き税額控除に賛同する野党」との条件を付けた。これにより一部野党の参加を事実上拒否し、反発した多くの野党が当初参加を見合わせ、共産党や参政党は最後まで認められなかった。



