滋賀県野洲市で計画されている大型商業施設開発に伴う発掘調査で見つかり、国史跡級の価値と評価された弥生時代近畿最大級の巨大掘立柱(ほったてばしら)建物跡の遺構の一部が破壊される見込みであることが4日、分かった。
市はこれまで遺構の公有地化を検討せず、開発事業者には「地中保存」のみを要望していたが、それすら実現しない可能性が高まっている。
市議会で教育長が答弁
この日の市議会定例会で、石川恵美議員が8月19日付産経新聞滋賀版「保存へ公有地化検討せず 野洲市長『財源投入難しい』」の記事を基に一般質問。北脇泰久教育長が、開発事業者から要望への回答書が8月24日にもたらされていたことを明らかにし、「大型建物遺構の主要部分が現地で保存される見込みとなった」と答えた。
回答書の内容について市文化財保護課に産経新聞が取材したところ、担当者は出土した16の柱穴の一部は地下保存もされず、破壊されると説明した。
国史跡級と評価された遺跡
巨大建物跡の発見は県文化財保護協会が6月に発表。弥生時代中期末(紀元前後)の造営で面積は126~147平方メートルに及び、それまで近畿最大だった池上曽根遺跡(大阪府和泉市、泉大津市)の復元建物「いずみの高殿」(133平方メートル)と双璧をなす存在に。
柱穴の特徴から、弥生後期(1~2世紀)に巨大な祭政空間を形成した伊勢遺跡(守山市)の大型建物群の祖型と分かり、銅鐸を使った祭殿であった可能性も指摘される。



