簗農水相辞任で国交省に飛び火、道路予算「カット」発言の疑い晴れず
簗農水相辞任、国交省の予算配分疑念晴れず

「予算に疑念が持たれた時点で中立性は揺らいだ。国交省は焼け野原だ」――14日夜、簗和生農林水産相の辞任表明が一斉に報じられる中、国交省幹部は嘆いた。

簗氏を巡る問題の口火を切った道路予算の「カット」発言は、予算を配分した国土交通省にも飛び火した。国交省は簗氏からの問い合わせは認める一方で予算への影響は否定したが、明確な根拠は示せず、疑いが晴れたとは言いがたいままだ。

「行間を読め」という圧力では

問題となった予算は2026年度の「社会資本整備総合交付金」。簗氏が栃木3区で敗れ、比例復活した2月の衆院選で、首長が簗氏を応援しなかった栃木県那須烏山市の配分額は要望額の約7割、那珂川町は約3割にとどまり、一部で工事が中断した。

簗氏から予算カットの働きかけを受けたのか――。国交省は官房長(当時)が簗氏と2月中旬に議員会館自室で配分額の「問い合わせ」を受けたが、働きかけはなかったとする調査結果を6日に公表した。だが面談記録は作らなかったといい、どんなやりとりがあったかはやぶの中だ。14日の衆院予算委員会でも「本当に単なる問い合わせだけだったのか」(中道改革連合の長妻昭衆院議員)と追及された。

問い合わせがあった2月中旬は、どの道路に予算をどれくらい配分するかを決める「箇所付け」の真っ最中だった。簗氏は当時、自民党幹事長室でナンバー3の筆頭副幹事長。国交政務官も経験し、予算編成期の勘所を知らないはずはない。「行間を読めという圧力」(国交省関係者)だったのではないか、との見方は絶えない。

箇所付けの記録はブラックボックス

箇所付けは国交省道路局内で議論して決めるという。簗氏の問い合わせ前後で両市町の配分額に変化があったのか。問題発覚後、報道各社は検討記録の開示を求めているが、国交省は明らかにしておらず、ブラックボックスのままだ。

国会議員と公共事業の関係は、かつて「道路族」と呼ばれた議員らが予算獲得を競った時代から変化している。当時なら「簗氏ごときが、と怒られる」と指摘する声もあるが、今もなお、予算配分を巡る透明性への疑念は残り続けている。