渋谷から東急東横線で3駅、所要時間わずか6分の祐天寺駅周辺は、高い再開発需要が見込まれそうな立地でありながら、駅前一等地には今も昔ながらの緑と石の風景が広がっている。
駅前一等地に残る古くからの光景
2013年に出版された『怪しい駅懐かしい駅 東京近郊駅前旅行』によると、祐天寺駅北側では植木屋さんの庭石がゴロゴロと置かれており、このあたりは1947(昭和22)年の航空写真と比べてほとんど変わっていないという。
同書には「祐天寺駅の北側は1927年の開業以降、商店街は生まれず、大規模な宅地開発もされず、ただ樹木が伸びただけである」「こんな都会の真ん中で、駅の傍が庭石と豊かな緑で占められているのは素晴らしい」とも記されている。
実際に2026年の現在も、駅からすぐの一等地で広範囲にわたって緑と石の光景が確認できる。東横線の線路のそばにも多数の石が置かれ、歩道は緑豊かな空間となっている。
新たな駅ビルも小規模、再開発は行われず
祐天寺は江戸時代の近郊農村から、東横線の開業を機に市街化され、現在に至るまで駅の姿が変化してきた。しかし、古くから変わらない光景も残っている。
2018年に建てられた駅ビルも地上6階建ての比較的小規模なもので、市街地再開発事業は行われていない。高層ビルや大型商業施設、タワーマンションも建てられていない。
なぜ祐天寺が再開発されないのか、その理由は後編で分析される。



