富山市で2018年に交番が襲撃された事件で、近くにいた警備員が警察官の拳銃で射殺されたのは富山県警の初動対応に問題があったためだとして、遺族が県などに約2600万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が2日、名古屋高裁金沢支部であった。大野和明裁判長は、賠償を認めなかった一審・富山地裁判決を支持し、控訴を棄却した。
事件の経緯と裁判の焦点
事件は18年6月26日午後2時過ぎに発生した。富山中央署奥田交番で男性警部補(当時46)が男に刃物で殺害され、交番から約100メートル離れた小学校で警備にあたっていた中村信一さん(当時68)が、警部補から奪われた拳銃で射殺された。男は元自衛官の島津慧大被告(30)。強盗殺人罪などに問われ、差し戻し審が10月に富山地裁で始まる。
遺族と県との裁判で焦点となったのは、交番にいた相談員が110番通報をし、中村さんが撃たれるまでの約17分間の県警の対応だった。
一審判決の判断
一審判決は、拳銃を奪われたと県警が気づいたのは最初に警察官が到着してから7~10分後で、中村さんが撃たれる直前だったと指摘。警察官らが中村さんや周辺住民に警告しなかったことについて、「職務上の義務に違反したとは認められない」と判断していた。



