富山市の国勢調査人口水増し疑惑、市民から約180件の苦情・意見
富山市の国勢調査人口水増し疑惑、市民から約180件の苦情・意見

富山市が2025年国勢調査で人口を2千人以上水増しした疑いをめぐり、藤井裕久市長は16日の定例会見で、市民らから約180件の苦情や意見が寄せられたと明らかにした。内容は「非常に残念」「何をやっているんだ」といったもので、市長に対する厳しい意見もあったという。

市長が業務の総点検を指示

会見で藤井市長は「特定の部署の問題とすることなく、市役所全体の問題として受け止めている」と説明。市長名で「公正な職務執行の確保について」という通知を出し、法令順守の徹底と業務の総点検を指示したと述べた。また、捜査機関の捜査が終結した後に市としても、今回の事案を調査する意向を表明した。

確定値で2936人減少

市の人口は、総務省が5月に公表した国勢調査の速報値で40万2133人だったが、9月29日発表の確定値では2936人少ない39万9197人だった。

総務省は、不正に関与した市職員を氏名不詳のまま統計法違反容疑で富山県警に告発。県警は10月3日、富山市役所を家宅捜索した。捜索後、藤井市長は文書で談話を発表したが、公的な場での説明をしていなかった。

調査票の偽造の可能性

総務省によると、富山市では「居住実態なし」の意味で世帯のリストに引かれた二重線を、市職員が根拠なく意図的に消し、世帯を復活させるなどしていたとみられる。世帯ごとに人数や氏名、出生の年月を記入する調査票も作成し、帳尻を合わせていたという。

総務省によると、確定値を出す際には「調査票」を確認する。世帯ごとの回答用紙にあたり、世帯の人数や氏名と性別、配偶者の有無などが記入されたものだ。調査票を確認し、出生年では幼児なのに仕事をしていたり、生まれが「昭和2015年」となっていたりするものを検出するという。富山市では、氏名が空欄のものがいくつも見つかった。総務省は、そうした調査票が偽造された可能性があるとみる。