最高裁判所第二小法廷(高須順一裁判長)は16日、福島県会津若松市の猪苗代湖で2020年にモーターボートの衝突事故を起こし、小学生ら3人を死傷させたとして業務上過失致死傷罪に問われた佐藤剛被告(49)について、逆転無罪とした二審・仙台高裁判決を破棄し、禁錮2年の実刑を言い渡した。
事故の経緯と一審判決
事故は2020年9月に発生。被告の操縦するボートが、マリンスポーツの順番待ちで湖面に浮いていた3人に衝突し、小学3年の豊田瑛大さん(当時8)が死亡。母親ら2人が重傷を負った。
一審・福島地裁は2023年3月、警察が現場の状況を調べる「実況見分」の際、被告が湖面に浮くマネキンを視認できたことなどから、前方確認を怠った過失があると判断し、禁錮2年の実刑を言い渡した。
二審で逆転無罪、最高裁が破棄
しかし仙台高裁は2024年12月、実況見分の条件設定が「不当に被告に不利だ」と指摘。現場の区域は遊泳が禁止されており、湖面に人がいると想定するのは困難だったなどと述べ、無罪とした。検察側がこれを不服として上告していた。
今年9月に最高裁で弁論が開かれ、検察側は被告が安全確認の義務を尽くしていれば衝突は回避できたと主張。無罪判決には「重大な事実誤認がある」などとして破棄を求めた。一方、弁護側は捜査機関が被告に不利な条件を設定して実況見分を行うなど「著しく正義に反する捜査・公判を遂行した」と批判し、高裁判決は妥当だと反論していた。
最高裁はこの日、二審判決を破棄し、禁錮2年の実刑を言い渡した。