東海汽船に一部船舶の使用停止命令、初適用…島民生活への影響考慮し事業停止は見送り
東海汽船に船舶使用停止命令、初適用…島民影響考慮

国土交通省関東運輸局は2日、複数の法令違反の疑いが判明した「東海汽船」(東京都港区)に対し、海上運送法に基づく一部船舶の使用停止命令を出した。期間は今月9日から28日までの20日間。同社は東京と伊豆諸島間などで定期旅客船を運航しており、生活物資や島民の移動に影響が出る恐れがあるとしている。

初適用となる船舶使用停止命令

2024年4月に創設された船舶の使用停止命令が適用されるのは初めて。国交省は当初、より重い「事業停止命令」も検討していたが、島民生活への影響などを考慮した。

発表によると、対象となるのは大型客船2隻のうち1隻と、ジェット船3隻のうち2隻の計3隻。東海汽船は、グループ会社の客船2隻による代替運航で航路は維持する。ただ、船の小型化や減便で輸送力が低下する恐れがあるという。

元日の飲酒問題と13項目の法令違反

東海汽船を巡っては、今年の元日、大型客船2隻で船長を含む複数の乗組員が運航中に「新年会」で飲酒し、アルコール検査を受けずに当直に入っていたことが国交省の調査で判明。これを含む計13項目で法令違反が明らかになった。

横浜市中区の関東運輸局で2日、命令書の交付を受けた山崎潤一社長は「137年、生活航路を運航してきたが、慣れによるおごりや甘えがあった」と語った。

再発防止策の検証へ

国交省は都や東海汽船でつくる会議を設置し、同社の再発防止の取り組みを検証する。同社は近く取締役会を開き、山崎社長の経営責任や役職員の処分を検討するとした。