福岡市西区の県道で20日に発生した飲酒運転による追突事故で、頭を強く打ち意識不明の重体だった大分市の男児(3)が21日、搬送先の病院で死亡した。福岡県警西署が発表した。
同署は、飲酒によって正常な運転が困難な状態で事故を起こし、男児にけがを負わせたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで現行犯逮捕していた同区の無職の男(68)について、容疑を危険運転致死傷に切り替えて調べる方針。
事故の概要と容疑者の供述
事故は20日午前11時10分頃に発生。男の軽乗用車が前方のバイク7台のうち3台に追突し、最後尾の2人乗りの大型バイクが倒れて滑走、道路外にいた男児と両親にぶつかった。両親やバイクの運転手ら計5人も搬送されたが、いずれも命に別条はない。
現場は片側1車線の直線で、男の呼気からは危険運転致死傷罪の数値基準(呼気1リットル中0.5ミリ・グラム以上)を超える0.99ミリ・グラムのアルコール分が検出された。男は「酒の影響でアクセルとブレーキを踏み間違えた」と話しているという。
周囲の証言と悲しみ
男の自宅近くに住む70歳代の男性によると、男は約5年前に妻を亡くし一人暮らしだった。おとなしい性格で、草刈りなど町内会の行事にも参加していたといい、「酒はそれなりに飲めたが、トラブルを起こしたことはなかったはず。なぜ飲酒運転なんてしたのか」と話した。
事故で亡くなった男児を知る人は悲報に言葉を詰まらせた。男児宅の近くに住む男性(46)は「人見知りをしない活発で元気な子だったのに……」と声を絞り出し、母親と公園で遊んだ帰りに飼い犬を「ワンワン!」と言いながらうれしそうになでていたと振り返った。男性は「飲酒運転をしないのは常識だ」と憤った。
近所の40歳代の女性は事故を知り、しばらく言葉を失った。「(男児には)未来があり、ご両親も成長が楽しみだったはず。言葉にならない」と語った。



