総選挙を3日後に控えたイスラエルの最大都市テルアビブで24日、数千人が参加する大規模な反政府デモが行われた。この選挙は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相への信任投票と広く見なされている。
「オクトーバー・カウンシル」が主催、責任追及求める
デモを主催したのは、2023年10月7日にパレスチナ武装勢力による越境攻撃の犠牲者や人質の家族が設立した団体「オクトーバー・カウンシル」。パレスチナ自治区ガザ地区での戦争の引き金となったイスラム組織ハマスの攻撃を阻止できなかったことについて、責任の追及を求めている。
イスラエルメディアによると、デモには主要野党4党の党首が参加した。ネタニヤフ氏と支持率で接戦を繰り広げている軍の元参謀総長、ガディ・アイゼンコット氏も参加し、群衆から熱烈な歓迎を受けた。
最新世論調査では接戦、過半数は不確実
団体はデモに先立ち、X(旧ツイッター)に「選挙の3日前に、真実の解明、責任の追及、国家調査委員会の設置を求めて3年間続けてきた闘いの集大成となる集会を開催する」と投稿した。
23日夜に世論調査結果の公表禁止期間が始まる前に発表された最新の調査では、いずれの陣営も国会で過半数の議席を獲得できないと予測されている。公共放送KANが公表した世論調査によると、国会の定数120議席のうち、アイゼンコット氏の陣営が52議席、ネタニヤフ氏の陣営が50議席を獲得し、残りはアラブ系政党など、いずれの陣営にも属さない政党が獲得する見通しだ。
デモ参加者の訴え、治安当局も警戒
AFP記者によると、数千人のデモ参加者が市中心部のラビン広場から「人質広場」に向かって行進した。人質広場は、ガザ地区で拘束されていた人質の解放を求める反政府デモの中心地となっていた。
デモ開始を前に、参加者のハダス・フォイアーシュタインさん(68)はAFPに対し、「この4年間、私たちを率いてきた人々は本当にひどい仕事をしてきた」と語り、2022年末に発足したネタニヤフ政権を批判した。さらに、「イスラエルが今のような状況に陥ったことは、かつてなかった」と付け加えた。
また主催団体はデモに先立ち、政府支持者による「挑発行為」が起きる可能性があるとして、警察当局に警戒を呼び掛けていた。イスラエル警察は24日夜、テルアビブで「公人の警護チームに暴行を加えた容疑者を逮捕した」と発表した。イスラエルメディアは、標的となった公人はナフタリ・ベネット元首相で、現在は野党党首を務めていると報じた。
調査委員会の設置を巡り対立、国際的な制裁も
イスラエルでは、2023年10月7日の攻撃を招いた安全保障上の失態について、独立した調査委員会の設置を求める市民団体や野党による運動が数年にわたって続いており、今回のデモもその一環として行われた。
これについてネタニヤフ政権は、独立した調査委員会の設置を拒否し、代わりに委員の半数を与党連合、残りの半数を野党議員が任命する「政治的」な調査委員会の設置を提案している。しかし、野党指導者らは、政治家が委員を任命する調査委員会には参加しないと表明している。
24日のデモに参加したナーマ・ビターマンさん(18)は、自身が支持する反ネタニヤフ陣営が選挙で勝利すれば、ガザ地区、レバノン、イランでの3年間にわたる戦争や、イスラエル占領下のヨルダン川西岸での暴力の激化によって傷ついた同国の国際的な地位を改善できると確信していると語った。ビターマンさんはAFPに対し、「私たちが勝てば、世界の人々の私たちを見る目を変えられると思う。私たちは必ず勝つ」と述べた。
英国など複数の国は、ヨルダン川西岸でイスラエル人入植者によるパレスチナ人への襲撃が相次ぎ、ネタニヤフ右派政権が入植地の建設を承認したことを受け、同地区のイスラエル人入植地からの製品を対象とする制裁を科した。