終戦の日の15日、高市早苗首相は政府主催の全国戦没者追悼式の式辞の中で、「戦争の惨禍を、二度と繰り返させない」と述べた。これまで石破茂前首相らは「繰り返さない」と述べてきたが、「せ」の1文字が加わった。
「繰り返さない」と「繰り返させない」の違い
中央大の中北浩爾教授(日本政治史)は、「繰り返さない」は、自ら戦争を起こした日本が不戦の決意を述べていると読めるのに対し、「繰り返させない」は、相手国が戦争を引き起こしたように読める可能性があると指摘。第二次世界大戦が「日本が主体的に戦禍を起こした『侵略戦争』ではなく、やむなく戦争に向かった『自衛戦争』だったというニュアンスが出かねない」と話す。
「抑え込む」ニュアンスへの懸念
中北教授は、首相の「繰り返させない」との発言には、諸外国を「抑え込む」ようなニュアンスも読み取られるおそれがあるとも指摘。「抑止のためとはいえ、防衛力を積極的に高めていくというメッセージになる可能性がある」という。
「反省」「不戦の誓い」使わず
また、高市首相は、石破茂前首相が昨年13年ぶりに復活させた「反省」や「不戦に対する誓い」という言葉は使わなかった。中北教授は「今年は立場がかなり変化したように見える」とした上で、首相には、「侵略」という言葉も盛り込んだ安倍晋三元首相の「戦後70年談話」も参照しつつ、「しっかりとした歴史観をもって発信を考えて欲しい」と求めた。



