横浜の複合施設「相鉄ムービル」閉館、37年の歴史に幕
横浜の相鉄ムービル閉館、37年の歴史に幕

横浜駅西口(横浜市西区)の複合施設「相鉄ムービル」が9月30日、37年間の歴史に幕を下ろした。最終日には映画館「ムービル」で、映画をめぐる人々の交流を描いた名作「ニュー・シネマ・パラダイス」が上映され、多くの人たちが別れを惜しんだ。

映画とともに歩んだ日々

川崎市宮前区の会社員・細野裕一さん(41)は「ムービルがなければ今の自分はなかったと思う」と振り返る。母に連れられ、ムービルで初めて映画を見た。相鉄線沿線の高校から帰宅途中、電車からムービルの看板を見ると予定もないのに足を運んだ。放課後や休日、ムービルで見た映画の半券は宝物で、ファイリングして大切に保管している。

ムービルで映画と出会い、映画とともに人生を歩んできた細野さんは今、映画の買い付けの仕事をしている。「ムービルに育ててもらった。ありがとうと伝えたい」と語った。

開館から閉館までの歩み

相鉄ムービルは1971年、現在の横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ(横浜市西区)の場所に開館。五つのスクリーンがある映画館の専用ビルとして大きな話題を呼んだ。88年11月に現在の場所に移転し、劇場やライブハウスなどを備える複合施設としてにぎわってきた。

閉館に合わせ、施設各所の壁面にムービルを舞台としたマンガを描く企画も実施された。マンガの編集を担当した水野隆さん(53)は「お別れとしてではなく、新しい物語が生まれる機会にしたかった」と明かす。

新たな街の始まり

相鉄グループ(横浜市西区)は西口周辺の再開発を加速させ、2040年頃には新たな街が誕生する。若者たちを再びわくわくさせてくれる物語が始まる。