米ワシントンのスミソニアン博物館などを運営するスミソニアン協会は8日、協会トップの事務局長を務めるロニー・バンチ氏が退任すると発表した。歴史家や同僚によると、発表に至った時点で、ホワイトハウスがバンチ氏の続投をほとんど不可能にする状況をつくり出していた。
トランプ政権による標的
トランプ米大統領は2期目に入ってから、スミソニアン協会を標的にしてきた。協会はリベラルに偏向しており、反米的な視点の展示を計画していると糾弾する大統領令を出した。ホワイトハウスはバンチ氏を「民主党の献金者で、過激な党派主義者」と見なしている。
バンチ氏の退任表明直後、ホワイトハウスはコメントの求めにすぐには応じなかった。
専門家の見解とバンチ氏の影響
「スミソニアンが文化戦争の場となるなか、バンチ氏は強まる圧力にさらされてきた」。そう語るのは、スミソニアン協会に関する著作を多く執筆しているマサチューセッツ大学アマースト校のサミュエル・レッドマン歴史学教授だ。「バンチ氏は、誠実さ、勇気、そして思慮深さをもってスミソニアンを率いてきた。その姿勢は、協会での長い経験や巧みな交渉術をうかがわせるものだった。だが、それも限界だったことは明らかだ」と述べた。
バンチ氏はスミソニアン協会で初の黒人トップとして知られ、ワシントンで2016年3月21日に自身の監督で創設し初代館長を務めた国立アフリカ系米国人歴史文化博物館の前で写真に収まる姿が報じられている。



