拉致特定失踪者の姉、53回目の夏 七夕に託す再会への願い
拉致特定失踪者の姉、53回目の夏 七夕に託す願い

北朝鮮による拉致の可能性を排除できない特定失踪者家族会の事務局長を務める竹下珠路さん(82)は今年、妹の古川了子さん=失踪当時(18)=が行方不明になってから53回目の夏を迎えた。被害者全員の帰国が今もかなわず、拉致への関心が薄まりつつあることに誰よりも危機感と焦りを募らせる一人でもある。

七夕まつりで署名呼び掛け

「平壌市内で似た人を見た」「私たちには残された時間がありません。どうか拉致問題の現実を知ってください」。今月8日、仙台市中心部の商店街で街頭署名を呼び掛ける竹下さんの姿があった。この日は豪華絢爛な和紙の吹き流しや笹飾りがアーケードを埋め尽くす仙台七夕まつりの最終日。今年も3日間で約200万人が訪れたが、竹下さんは行き交う人々にしきりに訴え続けた。

妹の失踪と北朝鮮工作員の証言

竹下さんの妹、古川了子さんは昭和48年7月7日、千葉県市原市内の自宅を出たまま消息を絶った。当日は近くの美容院で髪を切った後、母親と一緒に浴衣を買いに京成千葉駅で落ち合う予定だったが、直前に「用事ができた」と美容院にキャンセルの連絡を入れ、その際に「浴衣を買いに行けなくなった」と母への伝言も頼んでいたことが発覚した。

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当時は失踪事案として千葉県警に捜索願を出したが、平成9年に北朝鮮元工作員の安明進氏が「1991(平成3)年に平壌市内の病院で似た人を見た」とテレビ番組で証言した。竹下さんも14年に安氏と韓国で面会し、本人から同じ証言を得たことで、了子さんの失踪が北朝鮮による拉致との関連を排除できない可能性が浮上。特定失踪者の支援団体「特定失踪者問題調査会」のリストに入っている。

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