妊娠理由の退職強要は違法、監理団体などに賠償命令 福岡地裁小倉支部
妊娠理由の退職強要は違法、賠償命令 福岡地裁

妊娠を理由に退職や帰国を迫るのは違法だとして、フィリピン国籍の元技能実習生の女性が、仲介した大分県の監理団体や福岡県の実習先を相手に約620万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が4日、福岡地裁小倉支部であった。

千賀卓郎裁判長は「不利益な取り扱いをしたことによって技能実習生として保護されるべき権利を侵害した」などとして不法行為を認め、314万円を支払うよう命じた。

妊娠後の対応が問題に

判決によると、女性(29)は2019年9月に来日後、福岡県内の特別養護老人ホームで介護の仕事に従事した。妊娠がわかったのは21年4月。里帰り出産後に復職する意思を監理団体の理事らに伝えたが、暗に中絶を勧められたり、実習先の施設から帰国同意書への署名を強要されたりした。勤務シフトに入れてもらえなくなり8月末に退職し帰国した。

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判決は、妊娠を告げられた団体理事が「産休を取ればフィリピン人の評価は落ちる」などと言ったほか、「みんなに何があるかわからないけど、それでいいですね」と、中絶を選ばないと不利益を受ける可能性があると示唆したことなどに触れ、「妊娠自体を非難したり、中絶など特定の選択に誘導したりすることは許されない」と指摘した。

原告は「光となることを願う」

女性は判決後にオンラインで会見に参加し、「この判決が、かつて私が直面したのと同じ暗闇を歩んでいる人々の光となることを願っている」と喜んだ。

原告代理人の石黒大貴弁護士は「実習生の複雑な労使関係において、関係機関の責任を認めたのは画期的」と語った。

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