警察学校の待遇改善が進む一方で、ルール緩和と厳しさの両立が課題となっている。大阪府警では令和7年度から警察学校の学生の髪形について「警察官らしく清潔かつ端正であれば原則自由」と変更された。警視庁でも「短く」から「端正で清潔感あるもの」となった。髪形以外にも全寮制の警察学校での携帯電話使用や休日の門限でも大幅に緩和されるようになった。
採用試験受験者の大幅減少
背景には警察官の人材確保の厳しさがある。平成22年度に約13万6千人だった全国警察の採用試験の受験者数は、令和7年度には約4万1千人と3分の1ほどに減った。採用倍率も平成22年度の9・5倍に対し令和7年度は2・9倍となった。受験者数減少の一因としては採用が売り手市場で民間企業に流れていることが挙げられる。警察内部の要因として、警察学校のルールが今の若者には厳しいと敬遠されているのではないかとの見立てがある。
待遇改善と厳しさの両立
警視庁警察官の大卒程度の初任給は32万1900円。2年目のモデル年収は約650万円を超す。待遇改善はもっともだ。だが、一人前の警察官へと養成する警察学校は、ルールの緩和はあっても厳しさも必要だ。待遇は改善できても日々の警察活動は厳しい局面の連続だからだ。
職務質問する警察官をSNSに投稿する人もいるが、決して挑発に乗ってはならない。凶器を持って暴れる者に発砲したことをSNSで非難する投稿もあったが、状況によっては「撃つ」覚悟も求められる。交通違反取り締まりでは、相手にその場で納得してもらうことも必要だ。異常高温のなかでの警備実施にも耐えなければならない。
これまであったルールは何を意味してつくられたのか。時代にそぐわなくともルールは無駄ではなかったはずだ。その思いに込められていた意味を教場では教えてほしい。



