ベトナム戦争の最前線で取材を続けた報道写真家の石川文洋(いしかわ・ぶんよう)さんが23日午前2時39分、悪性リンパ腫のため長野県茅野市の病院で死去した。88歳だった。葬儀は近親者で行う。
那覇市出身、トンキン湾事件後にベトナムへ
1938年、那覇市生まれ。毎日映画社などを経て、香港の映像製作会社で撮影者として働いていた64年、米軍が本格参戦する口実としたトンキン湾事件の直後のベトナムに入った。その後、フリーランスの写真家に転身し、65年から4年間にわたり戦争中のベトナムの最前線で取材を重ねた。
「飛び散った体」などで知られる
首を残して千切れたベトナム解放戦線兵の遺体を持つ米兵を撮影した「飛び散った体」や、「大人の戦争を見つめる少女の瞳」などで知られる。88年には、一連のベトナム報道で日本ジャーナリスト会議のJCJ特別賞を受賞した。
朝日新聞出版写真部に15年在籍
69年から15年間、朝日新聞出版写真部に在籍し、ベトナムや沖縄の本土復帰などを取材した。退社後は長野県諏訪市を拠点に、原稿執筆や講演活動のほか徒歩での全国縦断の旅を行った。98年にはホーチミン市の戦争証跡博物館に写真200点を寄贈し、常設展示されている。ベトナム取材は、戦争終結から50年となる昨年まで、ほぼ毎年のように現地を訪れて取材を続けていた。



