山口県空襲展実行委員会の共同代表を務める工藤洋三さん(76)が、太平洋戦争中に米軍が撮影した航空写真を集め、空襲前後の写真を並べて被害の大きさを確認できるようにした展示会を県内各地で開催している。「写真を通して、戦争の悲惨さを知ってもらいたい」と語る。
講演で空襲の実相を解説
工藤さんは8月23日、山口市の山口市民会館で「山口の空襲の被害について」と題した講演を行った。講演では、米軍が空襲前に実施した偵察飛行の様子や、宇部市に投下された模擬原爆について、写真を交えながら説明した。
戦争研究に至った経緯
宮崎県出身の工藤さんは、長男として生まれ、将来は「家に残ってほしい」と言われていたが、「その前に九州の外に出てみたい」と考え、山口大工学部に進学した。
戦争に関心を持ち始めたのは、大学院卒業後に同大で助手として勤務していた時。広島と長崎の原爆に関する国際的なシンポジウムで、物理的な観点から原爆を分析するグループに参加し、現代に暮らす自分たちが平和を守るために過去の戦争を研究する必要性を感じた。
被爆者の記録活動
その後、徳山高専で工学を教えながら、ライフワークとして「徳山被爆者の会」に参加。原爆投下から2週間以内に爆心地に近づいた人は「入市被爆者」とされるが、参加当時、旧徳山市には約600人の入市被爆者がいたという。工藤さんはこうした被爆や空襲を経験した人々の話を聞き、記録に残す活動に取り組んだ。



