中国「国家分裂」容疑の沈伯洋氏、台北市長選へ「より多くの友人が必要」東京で後援会発足
中国「国家分裂」容疑の沈伯洋氏、台北市長選へ東京で後援会発足

11月の台湾・台北市長選に立候補している与党、民主進歩党(民進党)の沈伯洋(しん・はくよう)立法委員(国会議員に相当)は12日、東京都内の日本記者クラブで講演し、中国やロシアを念頭に「独裁国家の協力メカニズムはますます増えている。われわれにはより多くの友人が必要だ」と述べ、台北から海外への発信や交流を強めたい考えを示した。沈氏は中国による認知戦の研究で知られ、中国当局から「国家分裂犯罪」の捜査対象とされている。

沈氏は11日から4日間の日程で訪日しており、12日には日本後援会が発足した。発足式典には李逸洋(り・いつよう)台北駐日経済文化代表処代表(大使に相当)や自民党の若手議員らが出席。在日台湾人らも駆け付け、用意された約250席は埋まり、立ち見が出た。

「単純な台北市長選挙だけではない」

沈氏は演説で、今回の市長選について「単純な台北市長選挙だけではない」と指摘。市長選を通じて「われわれが未来の政治をどう描くのか、都市をどう計画するのか、この国のビジョンは何なのか、台湾人が期待する統治のあり方とは何なのか」を考える必要があると訴えた。

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沈氏は立法委員になる以前から中国による偽情報や認知戦を研究し、日本との連携を重視してきた。2022年の産経新聞の取材に対し、中国の情報戦について「欧米や日本、オーストラリアなども受けており、今後は日本の関連団体と連携したい」と語っていた。24年には自民、民進両党の外交・防衛担当議員による「2プラス2」にも出席した。

中国当局が「国家分裂犯罪」で立件

中国重慶市公安局は昨年10月、沈氏を「国家分裂犯罪」で立件した。中国側は、沈氏が開設に関わった、台湾防衛のため市民に軍事知識を教える講座「黒熊学院」を「国家分裂犯罪活動」だと非難している。沈氏は当時、「見せしめを目的とした中国の行動だが、私も台湾人も恐れてはいない」との声明を発表した。

「和して同ぜず、それが台湾だ」

沈氏は、台湾が日本や米国をはじめ異なる文化や制度の影響を受けながら、独自の統治の仕組みを形成してきたと説明。「われわれは東京から学びたい、ニューヨークから学びたいとよく言う」とする一方、異なる人々や文化が共存してきた台湾について「『和して同ぜず』、それが台湾だ」と語った。

市長選は11月28日投開票。沈氏は、再選を目指す最大野党・国民党の現職、蔣万安市長に挑む。(奥原慎平)

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