米軍準機関紙の星条旗新聞(電子版)は21日、米国防総省が同紙の発行人と編集長、中東担当記者の計3人を解雇する手続きに入ったと報じた。エリック・スレイビン編集長は解雇理由について、編集権の独立を訴えた自身の発言が「命令不服従」とみなされたと説明している。
編集長が発言の経緯を説明
同紙によると、スレイビン氏は7月、米CBSの番組に中東担当記者とともに出演し、国防総省が同紙への統制を強めていることについて、「検閲がレッドライン(越えてはならない一線)になる」と発言していた。発行人は、同紙の役割に対する理解が国防総省とは根本的に異なるとして、9月末での退職を表明していた。
星条旗新聞は、南北戦争中の1861年に北軍兵士によって創刊された。独立した立場から米軍関係者にニュースを伝える方針を掲げており、運営費には一部、公的資金が投入されているが、編集権の独立は保ってきた。
空母乗員の記事と政権の介入姿勢
同紙は今月、対イラン軍事作戦に参加していた米空母「エイブラハム・リンカーン」の乗員の間で、長期化する任務から精神衛生上の問題が生じているとする記事を掲載。長時間の任務や食料不足の状況を乗員や家族の証言とともに報じた。
一方、トランプ政権は同紙の編集に介入する姿勢を強めており、国防総省のパーネル報道官はSNSで、星条旗新聞を「士気を下げる」報道から「本来の使命に戻す」と投稿していた。
全米記者クラブが声明で撤回要求
今回の解雇報道を受け、全米記者クラブは「国防総省が報道を指図しようとする厚かましい試みだ」との声明を発表し、解雇の撤回を求めた。



