留学2日前に殺害された娘へ、両親が30年続ける「陰膳」2万回超
留学2日前に殺害された娘へ、両親が30年続ける陰膳2万回超

東京都葛飾区に住む小林賢二さん(80)は妻とともに、30年ほど前から毎日朝晩、自宅の仏壇に「陰膳(かげぜん)」を供え続けている。朝は決まってレーズン入りの食パンとオレンジジュース。夜は毎日異なるが、中華料理や魚の刺し身などのおかずを3、4品用意する。単純計算で2万回を超える。

留学2日前に絶たれた夢

1996年9月9日、上智大4年だった娘の順子さん(当時21)は、葛飾区柴又にあった自宅の一室で首などを刃物で刺され殺害されたうえ、自宅は放火された。ジャーナリストになる夢を抱き、留学先の米国に発つ2日前の出来事だった。

小林さんは出張先で自宅が火事になったことを知り、その後、順子さんが事件に巻き込まれたと知った。「順子の目の前には、留学をはじめ人生の色々な可能性が広がっていた。でも、それをすべて消された」。順子さんのその先の人生を見られなかった「悔しさ」がただただ心に残った。

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区切りのない日々

葬儀を終え、仏壇が来たころには陰膳をはじめた。毎日朝晩、自分たち夫婦と同じご飯を供える。一日のルーティンとなるほど、「解決が今日か明日かと待ち続ける」日々は過ぎていった。「何年経っても区切りはないから」と小林さんは話す。

「心の中では、いつも一緒だよ」。30年前に亡くなった順子さんを思い、手を合わせる。目立った捜査の進展の知らせはなく、事件は未解決のまま現在に至っている。

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