ネパールと中国の国境地帯で発生した大規模な土石流災害から1週間が経過し、これまでに千人を超える死者が確認された。行方不明者は、日本人家族5人を含む4千人以上に上る。
観光客ら30カ国以上が被災
現地は名峰が連なる山岳地帯で、観光や登山、巡礼に訪れていた30を超える国の人々も巻き込まれた。被災した水力発電所では労働者約900人の安否が不明だという。
通信や道路網は寸断されており、土砂で埋まったトンネル内での救助活動や遺体の身元確認は難航している。
日本やEUの支援表明
高市早苗首相は1日、ネパールのシャハ首相と電話会談し、日本人5人の救援への最大限の協力を依頼した。同時に、毛布やテントなどの緊急援助物資の供与や、国際緊急援助隊派遣の準備をしていることを伝えた。
欧州連合は約3億7千万円の人道支援を確約した。ネパール政府は、外国の捜索救助隊による支援を受け入れない当初の方針を変更し、インドや中国などの捜索隊を受け入れることを決めた。トンネル内救助やDNA鑑定などの専門家が中心という。
気候変動との関連と再発防止
国連は2023年、ネパールで過去30年間に氷河の3分の1近くが解けたと警告していた。今回の災害は、地球温暖化でネパール側の氷河が崩落して発生したとの見方がある。
シャハ首相はSNSに「気候変動の結果として強いられている災害の現状を国際社会に訴えるべき時だ」と投稿した。
一帯の災害再発を防ぐため、原因の究明と周辺河川の水位情報や氷河に関する衛星データを各国が共有する仕組みを整備することも大切だ。被災地では緊急事態を知らせる警報システムが十分機能しなかったとも報じられており、その整備や防災訓練の伝授といった協力も有効だろう。



