2026年8月31日、東京・歌舞伎町のビル火災で、娘2人が勤務する飲食店が入るビルが炎上した。母親の安子さんは、その朝、娘2人の携帯電話を何度も鳴らした。
友人からの電話で火災を知る
9月1日午前6時ごろ、娘の友人から電話がかかってきた。「火事のニュース見て。愛と彩があのビルに行っているはずだから」
テレビをつけると、東京・歌舞伎町のビル火災の映像が流れていた。2人はビル4階の飲食店に勤めていた。
長女の愛子さんは26歳。いじめにあっている友人を助けたり、泊まる場所のない新人従業員を実家に連れて来て面倒をみたり、周囲から頼りにされていた。
次女の彩子さんは22歳。「あっけらかんとして、明るい性格」で、音楽が好きだった。
つながった先に聞こえた声
母親は娘2人の携帯電話を鳴らし続け、呼び出し音の先に娘の声を待った。「携帯が鳴っているから、大丈夫ではないか……」
ようやく、彩子さんの携帯がつながった。聞こえてきたのは、娘の声ではなかった。電話に出たのは、男性の声だった。暗闇で鳴り続ける電話の先にいたのは、消防隊員たちだった。



