小児がんで6歳で逝った娘、遍路道の無人接待所が開設5年 巡礼者に飲み物もてなす
小児がんで逝った娘、遍路道の接待所が開設5年

小児がんにより1995年に6歳で亡くなった鈴木景子さんについて、四国遍路の巡礼者に知ってもらおうと設置された「景子ちゃんの接待所」(香川県坂出市)が18日、開設から5年を迎えた。景子さんを失った後、遍路を巡った父の中人さん(68)(愛知県豊田市)や管理している地元ボランティアが集まり、お遍路さんらに缶ジュースやあめを渡してもてなした。

娘の笑顔と闘病の日々

景子さんは3歳だった92年に小児がんを発症。一時は回復したが、転移が見つかり、小学1年生だった95年7月に亡くなった。抗がん剤の副作用で髪が抜けても笑顔を絶やさず、車いすで通学した。

中人さんは景子さんの死後、命の尊さや周囲に感謝することの大切さを伝えようと全国で講演会を重ねている。

接待所の設置と運営

中人さんが遍路を巡っていた2021年、以前聴いた講演で感銘を受けた高松市の元警察官・国方卓さん(59)が「鈴木さん親子の思いは、人生に迷うお遍路さんの支えになる」と接待所の設置を提案した。

接待所は四国霊場第八十二番札所・根香寺(高松市)まで約2キロの五色台山中の遍路道にある。普段は無人で、国方さんらボランティアが定期的に補充する缶コーヒーや緑茶、あめが提供されている。中人さんが景子さんを通して命について書いた絵本と、感想などを自由に書けるノートも備えられている。

開設5年の集い

18日は中人さんや国方さん、県内外から集まったボランティアら約10人が接待所を清掃し、外国人を含むお遍路さんらに声をかけ、飲み物などを渡した。中人さんは「国方さんたちの思いと支えで6年目を迎えることができた。景子の人生を知ってもらうことで、遍路を歩く方々の力になればうれしい」と話した。

夫婦で巡礼しているという兵庫県神河町の男性(69)は「山中でのお接待は本当に頭が下がる。景子ちゃんの思いも聞き、改めて命に感謝する機会をもらえた。結願を目指してもう一踏ん張りしたい」と話した。