国内最大級とされる東京都府中市の府中日鋼団地で建て替え計画が進んでいる。建物が老朽化し、住民が高齢化するなか、約20年かけて合意形成してきた。しかし、資材価格や人件費の高騰という新たな課題に直面している。
1966年入居開始、702戸の大規模団地
JR南武線と京王線の交わる分倍河原駅から北へ10分あまり歩くと、巨大なデータセンターの横に古い団地が見えてくる。昨年3月に建て替えが決まった府中日鋼団地だ。
旧日本住宅公団(現UR都市機構)が整備し、1966年に入居が始まった。JR武蔵野線の北府中駅からも徒歩圏という立地にも恵まれ、4~5階建て32棟、702戸からなる。団地管理組合によると、今年1月時点で897人が住み、65歳以上が37%を占める。国土交通省によると、建て替えを決議した団地の戸数として全国で最も多いという。
約870戸の高層マンションに集約、土地売却で財源確保
計画では、14階建ての高層マンション2棟に計約870戸を集約する。現在の区分所有者のうち約520戸が入居するほか、残り約350戸を一般分譲する。来春から一部の解体が始まる予定で、2031年ごろの完成と入居開始を想定している。
工事中も団地の一部は住民の仮住まいとして活用し、マンションの完成後、北側の土地は売却する。事業費に充当し、区分所有者の費用負担軽減を図る狙いだ。こうした手法や合意形成の工夫が評価され国交省のマンションストック長寿命化等モデル事業に採択された。管理組合は、補助金の活用も見込んでいる。
建て替えの検討は00年代半ばに始まった。