9月7日、パワハラ疑惑を指摘されていた山中市長が、第三者委員会の報告を受けて辞職しました。第三者委員会の調査により、今回の問題は収束したように見えます。しかし、「絶対的権力者の暴走をいかに止めるか」という、市の例にとどまらない問題への答えは、得られたのでしょうか。
職員トップのハラスメントが相次ぐ背景
2026年1月に会見を開いて市長のパワハラを告発したのは、市の前人事部長でした。脅す、書類を投げつける、にらみつける、意図的に無視する。さらに「ポンコツ」「人間のクズ」など人格否定と受け取れる発言や、深夜や休日を問わない常態的な業務連絡・指示などの事実を挙げて、パワハラ被害を訴えたのです。
これを受けて第三者委員会が組織され、市長および職員57人へのヒアリングと部署職員ら約750人に対し記名式のアンケートを実施。アンケートは294人から回答を得ました。
ヒアリングとアンケートの結果
ヒアリングの結果、複数の職員などから上記のパワハラ行為を見聞きしたという証言が得られています。アンケート調査においても、全体の約65%から市長のパワハラ行為を認識していたとの回答がありました。前人事部長が告発したパワハラ行為は、ほぼ全てが認定されたわけです。
またその原因については「職員の尊厳や人権への配慮が欠如していたことは否定できない」「パワハラについての正確な知識・理解が不足していたと言わざるを得ない」としています。
パワハラの特質に「注意、指導との境界線がはっきりしない」ことがあります。比較的要件がはっきりしているセクハラと異なり、パワハラは境が曖昧です。「ハラスメント・ハラスメント」とは、上司が部下に対して注意や指導を行った際、部下がそれを「注意・指導」と解さず、自身が「ハラスメントを受けている」と訴えることをいいます。