松山・道後で神輿ぶつけ合う「鉢合わせ」、約10人けがも「けんか全面禁止」徹底
松山・道後で神輿「鉢合わせ」、約10人けがもルール徹底

松山市の秋祭りが7日、市内各地で行われ、神輿を担いで激しくぶつけ合う「鉢合わせ」が道後地区で披露された。伊予鉄道道後温泉駅前には約5000人の見物客が集まり、8基の神輿が勇壮な姿を見せた。威勢の良い掛け声や太鼓の音が響き、街中が熱気に包まれた。

「もてこい」と挑発、神輿ぶつけ合う

秋祭りは5日から市内各地で行われ、7日に最終日を迎えた。道後温泉駅前では7日早朝、近くの伊佐爾波神社と湯神社で神事を終えた8基が、迎え太鼓の音に合わせ、「よいさ、よいさ」と掛け声を上げながら宮出しを行った。駅前に集まった見物客の前で神輿を差し上げると、拍手がわき起こった。

鉢合わせは午前7時頃から始まった。神輿2基を向かい合わせると、担ぎ手のかき夫らが「もてこい、もてこい」と大声を上げ、互いに手招きして挑発。傾けた神輿をぶつけ合って「ゴンッ」と鈍い音を響かせた。激しく押し合うと、会場は歓声に包まれた。

毎年この時期に祖父の家を訪れ、祭りを見物しているという広島県庄原市の小学2年生は「神輿同士がガンッとぶつかるのが面白かった」と笑顔だった。鉢合わせに参加した愛媛県湯之町大神輿の男性(26)は「支えてくれる地域の人の思いを背負って、一心同体となって挑んだ。来年はもっと勢いよくできるように練習を重ねたい」と意気込んだ。

7年ぶり参加、負傷もトラブルはなし

今年は大唐人神輿が7年ぶりに参加し、主催する道後八町会の西岡義則総代は「感無量。来年も見物客に楽しんでもらえる祭りにしたい」と話した。また、松山地裁の仮処分決定で「持田連合大神輿会」の名称使用などを禁じられた団体の有志が結成した「わかみや大神輿会」も、鉢合わせに参加した。

道後地区の鉢合わせでは、2024年の暴力トラブルを受け、主催者側が昨年から「けんかは全面禁止」とするルールを運用している。参加者を名簿に登録し、違反があった場合は最低1年間の参加禁止とする罰則も定めている。

道後八町会によると、今年の鉢合わせでは約10人が骨折や打撲などのけがをした。ただ、トラブルが原因ではなく、神輿同士がぶつかった際に挟まれるなどして負傷したという。押し合いの最中にかき夫らがもめ、祭りの関係者が仲裁に入る場面もあった。同会の梅野仁司事務局長は「相手に向かって飛び出してしまうかき夫もいたが、仲裁で収められた。来年はよりルールを徹底したい」としている。