熊本県、正確な情報発信で観光回復へ 復興と両立目指す
熊本県、正確な情報発信で観光回復へ 復興と両立目指す

最大震度7を観測した熊本地震では、県内すべての地域で甚大な被害が出たわけではない。今も被災者が避難生活を続ける県南部に対し、被害が少なかった県北部は日常を取り戻しつつあるものの、観光客が遠のく傾向が県内全域で顕著だ。熊本県も被災者支援を第一としながらも、地域経済の回復に力を注ぐ方針で、復興と経済の両立が今後の焦点になりそうだ。

県北部の飲食店に客足遠のく

熊本市中央区の繁華街は地震発生から2回目となった週末、居酒屋などの飲食店の光であふれていた。地元で居酒屋を営む谷口大助さんは「ほとんどのお店は営業している」。それにもかかわらず、お盆休みの予約などはキャンセルが相次ぎ、「本来なら有数の繁忙期なのに客足が遠のいている」。飲食店の間には自粛ムードがあるといい、観光客急減による損失を不安視する。

阿蘇市で宿泊キャンセル2万人、損失3億円

温泉地として知られる阿蘇市も傾向は同じだ。阿蘇市観光協会の調査によると、8月3日の時点で約2万人の宿泊キャンセルがあり損失は3億円に上る。同協会の代表理事、永田祐介さん(54)は「発生当時に被害がほとんどなかったので、ここまでキャンセルがあるとは正直思わなかった」と驚きを隠さない。

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避暑地でもある阿蘇市にとって8月はかき入れどきだが、当面は宿泊施設が避難者の受け入れなども行うため、積極的に観光を呼びかけるのは難しい状況にある。

県内全体で約6万5500人分のキャンセル、影響額9億円

10年前の地震では、熊本市や阿蘇市が甚大な被害を受けたものの、今回は被害が比較的小さかった。ただ県の調査ではこうした地域を含め、地震発生後の3日間で県内の宿泊施設で約6万5500人分のキャンセルが発生、影響額は約9億円に上った。県は現在も調査を継続しているが、さらに影響はさらに広がる恐れがあるという。

県、正確な情報発信で風評被害防止へ

一方、地震発生から2週間が過ぎ、県も新たな対策を検討するようになった。木村敬知事は9日の災害対策本部本部で「風評被害を防ぐために正確な情報発信に努める」と強調。被災者の支援を第一としつつも「地域経済を回していく取り組みも進めなければならない」と述べ、復興に向けた経済対策の重要性を訴えた。

県の担当者は「熊本全域が危険というわけではない。夏休みシーズンでもあるので、余震に気をつけて被害の少ない地域にお越しいただき、熊本を応援してくれれば」と話した。

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