熊本地震、ボランティアの熱中症対策「支援者支援」広がる 益城町では冷たいドリンクやおしぼり配布
熊本地震、ボランティアの熱中症対策「支援者支援」広がる

最大震度7を観測した熊本地震の被災地で、災害ボランティアの熱中症対策を支援する動きが広がっている。支援する人を下支えする「支援者支援」の一環だ。厳しい暑さが続く中、現場で汗を流すボランティアの体調管理を官民で支え、一体となって被災地の復旧を進めている。

益城町で冷たいドリンクやおしぼりを配布

21日、熊本県益城町は最高気温36度の猛暑日となった。倒壊したブロック塀の撤去などで汗だくになった大阪市の大学生(22)は、町社会福祉協議会職員から手渡された冷たい栄養ドリンクを喉に流し込み、「体に染み渡る。まだまだ頑張れる気持ちになる」と話した。

震度6強の揺れに見舞われた益城町では、壊れた家財道具の運び出しや、割れた食器などが散乱した建物内の清掃の依頼が多い。被災者とボランティアをつなぐ町社協職員は、全国から寄せられた飲み物や冷えたおしぼりをボランティアセンターで手渡したり、クーラーボックスに入れて軽自動車で活動先を回って差し入れたりしている。

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町社協によると、10年前の地震では、慣れない活動で体調を崩し、救護室から出られない人がいたという。2024年1月に起きた能登半島地震でもボランティアとして活動した大学生は、「寒い季節でも体力的に大変だった」と振り返り、「(家が壊れて)電気が届いていない家屋での夏の作業はさらに過酷。冷たい飲み物やタオルがあるだけでありがたい」と感謝を口にした。

県内各地で熱中症対策の取り組み

県内では、11市町に災害ボランティアセンターが開設された。県によると、21日までに延べ1万1112人が参加した。ボランティアはそれぞれ、ファン付きの作業着を着たり、瞬間冷却パックや経口補水液を持ち歩いたりして暑さ対策を講じている。

加えて、各地の社協は参加者が熱中症にならないように様々な支援を続けている。熊本市社協には、東京都から熱中症対策の腕時計型端末が届き、市内で活動する参加者に貸し出されている。内蔵されたセンサーで体温の上昇を検知し、危険を音や振動で知らせる仕組みだ。昨年9月の陸上世界選手権東京大会で、運営スタッフやボランティアの熱中症対策として活用した実績がある。

宇城市では、参加者の体調不良などに対応できるように、8月中旬まで災害派遣医療チーム(DMAT)が連携。美里町や氷川町では看護師の資格を持つ社協職員が待機している。

企業や団体も後方支援

企業や団体も後方支援に一役買っている。約2650棟(22日時点)の家屋被害が出た八代市の拠点には、エアコン付きの医療用テントが6基設置された。北海道帯広市の建設会社「宮坂建設工業」が届けたもので、テント内の気温を25度前後に保ち、ボランティアが涼み処や更衣室として活用している。1基当たり約20人が利用できるという。

「熊本キャッスルライオンズクラブ」(熊本市)は、益城町のボランティアにアイスクリーム200個を差し入れた。義援金を活用したといい、同クラブメンバーの高江康明さん(58)は「復興に向けて支援の力を最大限生かさなければいけない。ボランティアを支える間接的な被災地支援も重要だ」と話した。

町社協の緒方誠・事務局次長(53)は「暑さによって集中力が低下し、思わぬ事故を招くリスクもある。参加者の準備と心構えに加え、安全に活動してもらう環境づくりは欠かせない」と話している。

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