熊本地震1週間、被災者が求めるもの 水・人手・日常
熊本地震1週間、被災者が求めるもの 水・人手・日常

熊本地震の発生から4日で1週間となり、被災地では少しずつ生活再建に向けた動きが進んでいる。被災者らは今、何を求めているのか。甚大な被害があった3自治体で暮らす6人に切実な思いを聞いた。

宇城市:医療と水の確保が課題

熊本県宇城市の野崎哲夫さん(78)は通院している病院の外来が休止し、持病の薬を処方してくれる病院を探しているが見つかっていない。自宅の断水が続き、生活用水の給付を受けているが、50リットルが2日ほどでなくなってしまう。水の持ち運びも大きな負担だ。野崎さんは「一番困っているのは生活用水が足りないこと。医療体制を整えて安心して過ごせるようになってほしい」と訴える。

宇城市の女性(78)は自宅の家具などが倒れ、生活が難しく、避難所に身を寄せている。避難する際に足をけがしたため、病院への入院を検討しているが、満床で空きを待っている状況だという。「仮設のトイレが避難所から少し遠い。足のけがで1人では行けないため、周りに迷惑がかかり申し訳なく思う。早く元の日常を送れるようになってほしい」と声を絞り出した。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

氷川町:災害ごみの山と車中泊

氷川町の給食調理員の女性(64)は自宅の倒壊は免れたが、家具は散乱し、壁の崩落や亀裂といった被害が出ている。数か所で雨漏りも起きているという。「割れた食器はとても重く、運ぶのは大変。暑さもあって家族全員が疲弊している」。災害ゴミの仮置き場には行列ができており、「自宅から運び出して並ぶ時間さえ惜しい。物資も必要だが、山積みのごみを片付ける人手がほしい」と求める。

氷川町の男子高校生(16)は自宅が傾き、町内の祖父母宅は倒壊した。高齢の祖父母らと車中泊を続けている。「余震が怖く、安心して生活できる場所がない。暑い中での車中泊で祖父母らの健康面が心配」と表情を曇らせる。「ご飯を食べて風呂に入って、何も気にせずにゆっくり寝られる。そんな普通の生活を取り戻したい」と望む。

八代市:農業用水と店の再開

八代市の農業、坂本セチコさん(77)は、市が全国トップクラスの生産量を誇るトマトを作っている。芽が出たばかりの苗を一つ一つ鉢に移す作業をしているが、農業用水の断水が続き、十分な水を与えられない。応急的に使う井戸水は海に近いため塩分が入っており、「このままだと(苗が)枯れてしまう」と危惧する。「水がないとどがんも(どうにも)ならん。あと1週間で水が使えるように、何とか(農業)用水を整備してほしい」と話す。

八代市の商店街にある木田光一さん(77)の鮮魚店では、4日からようやく電気と水が使えるようになった。ただ、冷凍庫で保管していた魚は全て処分しなければならないという。店の3階にある自宅でも、タンスが倒れ、片付けは進んでいない。「暑さのせいで作業できるのは午前中だけ。お得意さんに店の再開を連絡するには、まだ時間がかかりそうだ」とため息をついた。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ