「紀州のドン・ファン」遺言書は有効、最高裁が判断確定
「紀州のドン・ファン」遺言書有効、最高裁が判断確定

「紀州のドン・ファン」と呼ばれ、2018年に亡くなった資産家、野崎幸助さん(当時77)のものとされる手書きの「遺言書」を巡る訴訟で、遺言を「有効」と認める司法判断が確定した。最高裁第三小法廷(沖野真已裁判長)が9月30日付の決定で、遺言は無効だと訴えた一部の遺族側の上告を退けた。

一、二審判決の内容

一、二審判決によると遺言書は、A4判の紙に《いごん》《個人の全財産を田辺市にキフする》などと書かれており、日付や署名のほか、実印が押されていた。

野崎さんの実兄らは、筆跡が野崎さんのものではないなどとして遺言は無効だと主張した。だが、一審・和歌山地裁は、市が提出した筆跡鑑定書の結果をもとに「(野崎さんの)筆跡とみて相違ない」と判断。遺言としての要件も満たしており、遺言書は有効と判断した。二審・大阪高裁もこの結論を支持した。

最高裁の判断と今後の影響

第三小法廷は決定で、上告できる理由にあたる憲法違反などがないとだけ判断した。

野崎さんの死亡後、元妻が殺人罪で起訴されたが、一、二審はいずれも無罪と判断し、検察側が最高裁に上告している。最高裁で無罪が確定した場合、元妻は野崎さんの財産の一部を「遺留分」として寄付先の田辺市に請求できる可能性がある。