群馬県桐生市で生活保護利用者を「くず」と呼ぶなど、職員による申請権の侵害が明らかになってから、来月で3年になる。市は再発防止のため生活保護行政の抜本的な見直しを進めてきたが、窓口は本当に変わったのか。第三者による検証委員会が7月に公表した初の全世帯アンケートでは、改善傾向が確認された一方で、課題も浮き彫りになった。
利用者アンケートで改善傾向、一方「分からない」が最多
市の検証委員会は7月、全利用世帯(710世帯)を対象にした初のアンケート結果を公表した。福祉事務所の対応について「とても良くなった・良くなった」と答えたのは35.0%、「変わらない」が18.5%、「悪くなった・非常に悪くなった」は4.1%だった。一方、「分からない」が42.4%で最も多かった。
自由回答には、窓口対応の変化を示す証言が複数あった。「(以前は)窓口に行けば犬みたいになるしかなかった。人権なんてありませんでした。生きるためだけど本当につらかったです。今、人として扱われているだけ幸せです」との声や、「(男性が担当者だった以前は)女性の体の病気を話しても、軽く考えているらしく、『大丈夫でしょ』などと言われて病院に行くことができなかった。女性の担当者になって、やっと行くことができました」との声があった。
ケースワーカー総入れ替え、女性も増員
市によると、再発防止策が本格スタートした2025年度から、課長をはじめ担当者はほぼ「総入れ替え」となった。問題が発覚した2023年度、市のケースワーカー6人のうち女性はゼロだったが、現在は10人に増員され、うち4人が女性ワーカーだという。
再発防止策の柱は、窓口での相談や電話応対の会話録音の実施だ。利用者の了承を得たうえで2025年6月から続けている。市地域福祉課の高橋伸幸課長は「私と担当係長の2人が、毎月2件ずつ無作為抽出して音声を聞き、対応に問題がないかチェックしている」と話す。
プライバシー配慮のパーティション設置、電子掲示板で周知も
生活保護の相談を受ける地域福祉課の窓口には、プライバシーへの配慮からパーティションが設置された。また、市庁舎の電子掲示板には生活保護相談を呼びかける案内が定期的に表示されている。窓口対応の改善に向けた取り組みは続いている。