兵庫県の2025年度のふるさと納税による寄付額が15億3000万円となり、3年連続で過去最多を更新した。県が大学や民間企業と連携して返礼品の多様化に力を入れたことが奏功した。ただ、県外の自治体への寄付による県民税の流出額も大きく、2025年度には19億4000万円の赤字となっている。県は兵庫ならではの返礼品をより一層増やし、解消を図りたい考えだ。
寄付額は3年連続で過去最多を更新
ふるさと納税は、居住地以外の自治体に寄付すると、寄付額から2000円を引いた額が住民税や所得税から控除され、自治体から寄付額の3割以下の返礼品を受け取れる制度。寄付された自治体にとっては返礼品の調達や送付にかかる手数料を差し引いた額が自主財源として残ることから、自治体間での寄付獲得競争が年々激しくなっている。
県は2023年度から返礼品の開拓を民間事業者に委託し、メニューを増やしたところ、寄付額が大幅に増加。現在は「神戸牛焼肉セット」や「淡路島産フルーツ玉ねぎ」など約1000種類に及んでいる。2025年度には寄付額は15億3000万円に達し、2022年度からの3年間で14億4000万円の伸びとなった。
県民税の流出が拡大し赤字に
一方、住民が県外の自治体に寄付したことによる県民税の流出も増えている。2025年度には139億円まで膨らみ、5年間で2倍以上となった。神戸市など都市部の住民による県外自治体への寄付が増えているためとみられる。
自治体は流出分の75%を国の地方交付税で補填してもらえるが、残りを負担する必要がある。このため、寄付額から流出分の25%を差し引いた額が利益となり、流出分のほうが多ければ赤字となる。県では2023年度に23億1000万円、2024年度に19億7000万円、2025年度に19億4000万円の流出超過となった。
黒字化へ返礼品の拡充を推進
黒字化を目指し、県は2026年度の寄付額の目標を20億円に設定。今春には期間限定で、神戸市長田区の婦人靴メーカーと神戸松蔭大学(神戸市灘区)と協力して開発した婦人向けのサンダルを提供するなど、新たな返礼品のラインアップの拡充に余念がない。県財政課の担当者は「県ならではの特色のある返礼品を地道に増やすことで、流出超過が続く状況を解消していきたい」としている。



