広島平和記念資料館(広島市中区)で2日、被爆者が当時の情景を描いた「原爆の絵」を展示するコーナー「絵筆に込めて」の作品が入れ替えられた。「猛火に追われて逃げまどう人々」をテーマにした6点を、来年2月14日まで展示する。
約5000点を所蔵、半年ごとに入れ替え
同館では被爆者が描いた絵約5000点を所蔵。劣化を防ぐため、半年に1回程度展示の入れ替えを行っている。
作品が伝える原爆直後の情景
元同館長の高橋昭博さん(被爆時14歳)による「友人と逃げる私」は、爆心地から約2キロの橋を、足の裏にやけどを負って歩けず、四つんばいになった同級生と一緒に渡る高橋さんの姿が描かれている。河原には人々が横たわり、背後の町は火に包まれている。
藤岡久之さん(同12歳)の作品は、煙を上げて燃えさかる炎の中を、互いを綱でつないで逃げる親子の様子を伝える。髪の毛は逆立っており、作品説明には「大声で泣きながら走ってきた」とつづられている。
学芸員「核兵器の非人道性が伝わってほしい」
同館の沖田久美子学芸員は「爆風や火災など原爆投下直後の様子は写真にほとんど残っておらず、体験した人にしか分からない。人の表情や思いが伝わる作品を選んだので、核兵器の非人道性が伝わってほしい」と話している。



