大阪府泉南市の添田詩織市議(37)がSNSで差別的な投稿をしたとして、在日コリアンの李香代(イヒャンデ)さん(60)が550万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が29日、大阪高裁(谷口安史裁判長)であった。高裁は投稿を名誉毀損と認定し、一審・大阪地裁判決(55万円)を変更し、賠償額を88万円に増額した。
投稿の内容と判決の理由
判決によると、添田市議は2024年2月にX(旧ツイッター)で、高校無償化の対象に朝鮮学校を含めるよう求めて活動する李さんについて、顔写真とともに「会社役員の李香代さんの活動」と投稿。さらに「従兄弟は在日留学生捏造スパイ事件で死刑判決を受けた」などと投稿した。実際には、李さんのいとこは軍事独裁政権下の韓国で死刑判決を受けたが、2015年に再審で無罪が確定し、韓国大統領からの謝罪も受けている。
一審の地裁判決は、添田氏のXのフォロワーが数万人いたことから「一定の政治思想を持つ者による個人攻撃を誘発する危険」があったと認め、55万円の賠償や残っていた投稿の削除を命じていた。高裁は、市議である添田氏が「自身の発言の影響力を理解していた」と指摘し、地裁に続いて投稿の危険性を認め、インターネットでの情報の拡散性も考慮すれば「攻撃を受ける危険への恐怖は過小評価できない」と判断した。
人種差別の主張は退けられる
李さん側は投稿が人種差別にあたるとも主張したが、高裁は特定の民族や人種に着目した投稿ではなかったとして、一審に続いてこの点の主張を退けた。
添田氏側の代理人弁護士は判決について「特段コメントすることはない。やるべきことをやってきた」とコメントした。判決後の会見で李さんは「悔しい」と述べた。



