京都・祇園のメインストリート花見小路通で、舞妓が履く高さ約12センチのげた「おこぼ」を製造・販売する老舗「丶(ちょぼ)や」が7月末に閉店し、近くの借家へ移転した。土地と建物を売却したという。
地価上昇で立ち退き、築120年の京町家を手放す
「丶や」は1954年に開業。店先のショーケースに並ぶおこぼや草履、3代目店主の桜井功一さん(60)が鼻緒をすげる姿は、祇園の町並みの一部として親しまれてきた。
桜井さんは「ものすごく悩んだんですけど、地価が上がって周囲が売買され、居続けるのが難しくなりました」と話す。店舗は築120年以上の京町家で、近年は隣家が取り壊されて駐車場になるなど、周辺環境が変化していた。「売りませんか」と打診されても「先祖からの土地」と断り続けてきたが、老朽化による修繕費や相続税の負担を懸念し、手放す決断をした。
京都市の対策と現状
京都市によると、京町家は近年、毎日2軒のペースで減少している。市は解体を食い止めようと、今年度、改修の補助や固定資産税の軽減のため、前年度の5倍を超える4億6200万円の予算を計上した。
「京町家を大切にしましょうと言わはるけど、現実は厳しい」と桜井さん。魅力ある町並みを社会全体で守る必要性が改めて浮き彫りになった。



