福岡県議会の金銭授受疑惑への関与が浮上していた蔵内勇夫議長が議員辞職を表明したことについて、東京・永田町でもさまざまな反応が広がった。疑惑が長引けば、他道府県でも来春の統一地方選への影響は避けられないとして、自民党内では事態収拾に向けた動きに期待する声も上がっている。
一連の疑惑で「政治とカネ」問題が再び注目される結果となり、9月にも予定される内閣改造や党役員人事にも波及するとの見方もある。
自民党内からは困惑と懸念の声
中国地方選出の自民党若手議員は「うちの地元でも有権者からクレームがたくさん来た。『ここの県議会でも同じようなことをやっているんだろ』って。全くそんな事実はないのにね…」と一連の疑惑の影響に頭を抱えた。
東北地方の自民党県連の関係者は「そもそも、県議会議長がそんな力を持っているということが信じられない。これで幕引きになってほしい」と話した。
ただ、蔵内氏の議員辞職表明で、一連の疑惑が収束に向かうかは見通せない。蔵内氏や受け取った側とされる県議らは関与を否定しているが、金銭のやりとりを巡る音声データなども確認されている。県民は実態の解明を強く望んでおり、蔵内氏の議員辞職後も追及はしばらく続きそうだ。
「政治とカネ」問題が再燃、人事にも影響
自民党は、派閥パーティー収入不記載事件を受けて、令和6年10月の衆院選で大敗した。高市早苗首相(自民党総裁)の下で実施された先の衆院選での大勝以降は不記載事件の話題は下火になっていただけに、地方議会とはいえ、再び「政治とカネ」問題が脚光を浴びる形となったことは痛手だ。
自民党若手は来年の統一地方選に向けて「影響は出てくるだろう」と語る。また、首相が9月中旬にも予定している党役員人事・内閣改造にも暗い影を落としている。
不記載事件の震源地となった旧安倍派(清和政策研究会)所属の有力議員の要職への起用も取り沙汰されていたが、党内では慎重論が広がりつつある。
共同通信社が22、23両日に実施した全国電話世論調査では、内閣改造・自民党役員人事を巡り、不記載事件で処分を受けた議員を重要ポストに起用することに73.8%が「反対」と答えた。自民党の閣僚経験者は「この状況で不記載に関与した議員を要職に起用すれば、内閣支持率が下がる可能性がある。慎重に判断したほうがいい」と話した。



