判決後の「説諭」に意味はある?元裁判長・大西直樹さんが語る法廷での思い
判決後の「説諭」に意味はある?元裁判長が語る法廷での思い

刑事裁判で判決を言い渡した後、「これにて閉廷」とせず、被告人に必ず「説諭」をしてきた裁判官がいた。この春に退官した大西直樹さん(55)は、法廷で語りかけ続けた理由と、説諭に込めた思いを語った。

きっかけは民事裁判

「必ず説諭をする裁判官は珍しいと思います。きっかけは?」という問いに対し、大西さんは任官9年目、徳島地裁にいたときのことだと振り返る。兄弟間の壮絶な財産争いの民事裁判を担当した際、当事者が法廷に来ないことが多い中、そのつもりで法廷に入ると兄弟がいたという。

「主文を読み上げて退廷することもできたが、『裁判官としてそれでいいんだろうか』と」思った大西さんは、判決理由をかみ砕いて説明し、「きっと小さい頃は大切な唯一の兄弟だったでしょう。今でも大切な存在であることは変わらないと思います。裁判を一区切りにして、前を向いていってほしいなと思います」と伝えた。

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兄弟は最後まで聞いてくれ、どちらかは控訴すると思っていたが、判決は確定した。「言ってみるのもありなんだなと思いました」と語る。

刑事裁判官としての説諭

その後、刑事裁判官としてキャリアを歩み、説諭を続けた大西さん。刑事訴訟規則では、裁判長が被告に「将来について適当な訓戒をすることができる」とされている。有罪かどうか、有罪だとしたらどんな量刑が適切かを考えていると、「立ち直ってほしい」という気持ちが出てくるという。

説諭を始めたのは、判決では言い尽くせない思いがあったからだ。無罪を主張する被告に有罪の説諭をすることもあった。説諭を嫌う被告や弁護人もいるが、大西さんは法廷で語りかけ続けた。

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