ソフトボール強豪高の主将自殺、遺族が学校法人と元顧問を提訴
ソフトボール強豪高の主将自殺、遺族が学校法人と元顧問を提訴

愛知県瀬戸市の私立聖霊高校ソフトボール部で主将だった女子生徒(当時18)が2022年に自殺した問題で、遺族が7日、自殺は当時の男性顧問による不適切な指導が原因で、学校側もこうした状況を放置したなどとして、学校を運営する南山学園(名古屋市)と元顧問を相手取り、慰謝料など計約4700万円の損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴した。

主将として叱責を受け続けた

同校ソフトボール部は全国大会にも出場する強豪。訴状などによると、女子生徒は21年7月に主将に就任後、チーム内でミスなどがあると、主将として特に叱責を受けた。元顧問は他の部員の目の前で「キャプテンでなかったら、試合に出していない」などと発言したこともあった。22年4月19日の練習で、「お前はもういらない。キャプテンは向いていない」などと発言したという。女子生徒は同日夜に自殺した。

遺族の主張と第三者委員会の報告書

遺族は訴状で「人格を否定するような発言をした上、その後何のフォローもしなかったのは、指導者としてあるまじき行為だ」と主張。学園に対しても「漫然と元顧問に指導を任せ、過度な叱責がある状況を放置した」と訴えている。

問題を受け、学校側が設置した第三者委員会が24年にまとめた調査報告書は、女子生徒が主将として重圧を感じる中で、「強い言葉による指導が本人の不全感や自責感を強めた可能性がある」と指摘。「衝動的な自殺企図と考えられ、部活の対応が一因だった可能性は否定できない」などとした。

指導体制の課題と遺族の思い

元顧問は20年以上ほぼ1人で指導していたといい、報告書は「専門性が高く指導力のある顧問が、長年にわたり1人で指導することは、第三者の目が届きにくく、閉鎖的で独善的な指導に陥る危険性がある」とした上で、「指導体制のあり方や機能面に課題があったのではないか」と疑問を呈した。

女子生徒の母親(57)は朝日新聞の取材に「暴言は指導ではなくハラスメントだと社会に広まってほしい。二度とこんなことは起きてほしくない」と話した。

南山学園は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。