同志社国際高ボート事故、第三者委が報告書で組織の欠陥を指摘
同志社国際高ボート事故、第三者委が報告書で組織の欠陥を指摘

2026年3月16日に発生した同志社国際高校のボート事故をめぐり、学校法人同志社が公表した第三者委員会の調査報告書で、事故当日の気象注意報の確認不足や、組織的な安全管理の形骸化が明らかになった。

報告書によると、2025年度辺野古ボートコースでは、波浪警報などの気象警報が発出された場合は乗船を中止することはほとんどの引率者が認識していたものの、注意報のみが発出された場合の対応ルールは定められておらず、引率者の間でも意識されていなかった。

事故当日の2026年3月16日、沖縄県名護市には波浪注意報が発令されていた。しかし、担当教諭らは気象警報が発令されていないことのみを確認し、注意報の発令状況は確認せず、確認結果も教員間で共有されなかった。その上で、船長とみられるc1氏の出航可能という判断をそのまま受け入れ、ボートコースの実施を決定した。

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救命胴衣の指導も船長任せに

報告書は、救命胴衣の着用方法についても、教諭らが船長らに一任し、自ら指導を行わなかったと指摘する。引率教員は、気象警報が出ていないことから「大丈夫だろう」と判断したが、警報が出ていない段階でも天候の急変や海のコンディションによって危険が生じ得ることを十分に認識していなかった可能性が高いとみられる。

また、リスク管理体制の機能不全については、高校および学校法人の双方で安全性を確認・監督する機関や会議が機能しておらず、チェック機能が存在しなかったと述べられている。

他人任せの組織風土が検証を妨げた

報告書は、安全管理に関する検証を妨げた組織風土について、「安全管理について自分事として検証せず他人任せとする組織風土」と厳しく指摘する。辺野古ボートコース導入以降、担任会や研修旅行委員会、教職員会議のいずれでも安全性に関する問題提起や質疑が行われた形跡はなく、事実上学年主任が作成した原案を追認するだけの運用だった。

教員からは「学年主任主体で進んでいく。主任の負担が大きすぎるだけでなく、いろんな視点が入りにくく、チェック機能が働きにくいと感じた」「自らは事前の計画段階に関与しておらず、研修旅行直前に初めて自身の役割を知らされるため、意見を述べる立場にはなかった」といった声が報告書に記されている。また、下見に行っていない教員は「意見を述べる材料を持ち合わせていなかった」と述べた。

このように、研修旅行委員会や教職員会議は担任会任せ、担任会は下見に行った教員任せという「他人任せの連鎖」が形成されていた。

正常性バイアスと教育観の罠

報告書の内容を踏まえ、記事では教訓として3点を整理している。まず、人は滅多に起きないことに対して鈍感になりやすく、「まだ大丈夫」と思い込む正常性バイアスが働いた可能性を指摘。教育的意義を強調するあまり、安全への配慮が後回しになった面があるとみられる。

次に、旅行のプロである旅行会社がほとんど関与できなかったことや、組織としてのチェック機能の欠如が課題として挙げられている。今回の事故から得られた教訓を、同校だけでなく他校でも共有し、具体的な対策を講じることが求められている。

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