沖縄県名護市の辺野古沖で発生した同志社国際高等学校の研修旅行中の事故で、学校法人同志社が設置した第三者委員会が報告書を公表した。事故では、2年生だった武石知華さんと、ボートを操船していた船長の金井創さんの2人が死亡した。
報告書の概要と調査方法
報告書は、事故の事実関係の調査、原因の究明と法的評価、再発防止策の提言などを目的に、弁護士3人が中心となって実施し、取りまとめたものだ(ほか20人の弁護士が補助)。安全対策について扱っており、平和学習の内容の適切性については調査の対象外としている。
調査では、同志社国際高校の教職員に加えて、研修旅行(修学旅行)に参加した生徒・保護者からの聞き取り、旅行会社などへのヒアリングも実施。218ページにも及ぶ報告書で、事故に至った経緯、背景について詳細に調査されている。
安全配慮義務違反の評価
調査の結果、第三者委員会は、同志社国際高校での安全対策上の問題を確認し、同校の設置者である学校法人同志社には、明らかに安全配慮義務違反があった、と評価した。
報告書は、船長への盲目的な信頼から安全という合理的根拠のない思い込みが生まれ、他人任せの連鎖が形成される組織風土があったと指摘している。具体的には、(1)大丈夫だろうとの正常性バイアスと教育的意義を強調する教育観の罠、(2)旅行のプロである旅行会社がほとんど関与できなかったこと、(3)学年主任任せで、属人的な安全対策をチェックする仕組みがなかったこと、を問題点として挙げている。また、校長は安全上の疑義を呈することはなかったのか、という点も問われている。



