東京電力福島第一原発事故で、福島県などから関西に避難した79世帯221人が国と東電に計約29億円の損害賠償を求めた集団訴訟の判決が2日、大阪地裁であった。松本展幸裁判長は国の責任を認めず、東電のみに対し、53世帯103人に計約9000万円の支払いを命じた。原告側は控訴する意向を示した。
国の責任を認めなかった理由
2013年に提訴された訴訟で、原告側は、国が東電に津波対策を講じさせていれば事故は防げたと主張していた。これに対して判決は、仮に国が対策を義務付け、防潮堤などが設置されていたとしても、想定より高い津波だったため浸水は避けられなかったと指摘。「(国が対策を講じさせていても)事故が起こっていた可能性は相当ある」と結論付けた。
東電への賠償命令と今後の見通し
一方で東電には、原告の事故当時の居住地などに応じて、精神的苦痛などに対する賠償を命じた。原発事故の避難者が起こした訴訟では、22年に最高裁が国の責任を認めない判決を言い渡した。以降、各地の裁判で同様の判断が続いている。



