川崎の大衆演劇場「大島劇場」が76年の歴史に幕、老朽化で閉館
川崎の大衆演劇場「大島劇場」が76年の歴史に幕

川崎市川崎区の大衆演劇場「大島劇場」が9月29日、76年の歴史に幕を下ろした。なじみの劇団や根強いファンを抱え、月替わりで公演を行っていたが、建物の老朽化や観客数の伸び悩みなどもあり、閉館が決まった。公演の最終日には多くのファンらが訪れ、閉館を名残惜しんだ。

最終公演に役者とファンが集う

29日夜、「緞帳下ろし」と呼ばれる最終公演に、舞台を彩ってきた役者が集まった。150人近い観客で満席の場内。華やかな舞踊や歌謡が披露され、大トリを務めた劇団駒三郎の総座長・長谷川駒三郎さんは「色々な劇団が劇場と女将さんにかわいがってもらった。皆さんの心の中に残る場所」と別れを惜しんだ。

老朽化と物価高騰、続けられない理由

1950年に開館し、現在の女将は4代目として母親から劇場主を引き継いだ。近年でもにぎわいをみせる日も少なくなかった。だが、建物を改修するほどの余裕はなく、改修してもその先、何年続けられるかは未知数だ。全国を回る役者たちの宿泊先の確保も、物価高騰が続く昨今は難しくなった。時の流れには逆らえなかった。

申し出を断り、最後まで責任を

劇場を買い取りたい、クラウドファンディングで残したいといった声も寄せられた。だが、女将は「自分の目が届き、手をかけられる範囲で運営したい。最後まで責任を持つ」と全ての申し出を断った。