バイク爆音「コール」がSNSで拡散、兵庫県警が取り締まり強化
バイク爆音「コール」SNSで拡散、兵庫県警が取り締まり強化

兵庫県内でバイクや車の騒音を巡る110番が増加している。昨年は直近10年で最も多く、今年上半期も同様のペースだ。SNS上で排気音を響かせる技が注目を集めていることが一因とみられ、暴走族の全盛期とは異なる形で「爆音走行」が多発している。

SNSで広がる「コール」、摘発されても「はやりの音を響かせたい」

8月の土曜日の深夜、明石市魚住町に「バリバリバリ」と爆音をとどろかせるバイクが散発的に現れた。以前から通報が多いエリアで、待ち構えた警察官がそれぞれ停車させて車体を確認。排気音が響くようにマフラー部分を不正改造した道路交通法違反(消音器不備)などで摘発していった。

青切符を交付された姫路市の会社員男性(22)は、単独で改造バイクを走らせていた。グループには属していない。「はやりの音がある。自分も響かせられるようになりたいんですよ」と男性は取材に答えた。

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SNS上には近年、エンジンの空ぶかしでリズムを刻む動画があふれている。「コール」と呼ばれる行為で、難しい技を繰り出せば「音職人」とたたえられ、動画は「バズる」。男性は「『音職人』が憧れ」と語る。コールの技を競い合う「大会」があり、観戦や出場をしているという。週末に他のライダーと撮影や投稿を楽しむこともあるが、SNSでの呼びかけに応じたゲリラ的な集いで、初対面や名前を知らない人がほとんどだ。「音がでかいほど目立てる。響かせるのは楽しい。うるさいと思われても、気にしていない」と話す。

騒音通報は増加傾向、暴走族は減少も「匿名・流動型」に

兵庫県警によると、車やバイクの騒音に関する通報は2001年の1万4870件をピークに減少傾向が続いたが、22年(2151件)を底に増加へ転じた。昨年(5417件)と今年上半期(2651件)は1日平均で約15件に上り、阪神間から東播エリアにかけてが8割を超える。

かつて騒音を放つ代表格は特攻服で隊列を組む暴走族だったが、県警が把握する暴走族は117人(6月末時点)で、01年のわずか7%。近年は特定グループに属さない単独や少人数での走行が主流で、捜査幹部は「乗り手同士はSNSで緩くつながっているだけで、いわば匿名・流動型。リーダーや上下関係が存在した暴走族と違い、実態把握が難しくなった」と語る。

県警は合同取締部隊を編成、摘発件数は前年同期を上回る

県警は不正改造による騒音対策として、24年9月、交通部と各署で合同取締部隊を編成した。基準を超える大きさの排気音やマフラーの改造による昨年の摘発は計652件。今年も7月末までで415件にのぼり、前年同期を54件上回る。

県警交通捜査課の山本晋也次席は「不正改造や暴走行為を見逃さず、1人ずつ地道に取り締まっていく」と話している。

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