ドイツ警察は26日、前日夜に首都ベルリンで行われたプライド・パレードで車両が突入した事件の容疑者を射殺したと発表した。当局はイスラム過激派による犯行と説明している。
事件の概要と容疑者の射殺
25日夜に発生した事件は、ドイツ首都では初めてとなるLGBTQコミュニティーを標的としたもので、女性1人が死亡し、29人が負傷した。犯行後、容疑者は逃走していた。
ベルリン警察はX(旧ツイッター)で、26日午後6時(日本時間27日午前1時)ごろ、アブドゥル・バルート容疑者(21)の居場所が西部シュパンダウ区の市民農園にあると突き止めたと述べた。バルート容疑者が刃物を持って突進したため警察官が発砲し、「容疑者は負傷して蘇生措置が取られたものの、現場で死亡した」という。
容疑者の背景と過激派との関係
これに先立ち、検察当局はレバノン系ドイツ人のバルート容疑者が、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の支持者であり、直近では5月のものを含め、複数の前科があったと発表していた。
アレクサンダー・ドブリント内相によると、バルート容疑者はその後大ナタを使って多くの人を襲撃した疑いが持たれている。負傷した29人のうち一部は重傷となったものの、フリードリヒ・メルツ首相は、命に別条のある被害者はいないと発表している。
ドブリント内相によると、バルート容疑者は「多数の」犯罪歴や過激化の傾向により、当局に把握されていた人物だった。検察は、バルート容疑者が2019年に傷害と恐喝、20年の強盗で有罪判決を受けていたと明かした。バルート容疑者はその後、24年にインスタグラムでイスラム国のプロパガンダを共有し、翌年にはシリアで活動する武装組織に参加するためレバノンへ渡航した。
レバノンで逮捕されて拘禁3月の判決を受けた後、同年11月に強制送還されると、今年5月に「重大な破壊行為の準備」で有罪判決を受けるまで拘留されていた。バルート容疑者は拘禁1年10月を宣告されたものの、罪を認めISから距離を置いたことやレバノンでの拘留期間や公判前勾留期間の一部が考慮され、執行猶予となっていた。



