三重県は15日、2026年の基準地価(7月1日時点)を公表した。住宅地、商業地、工業地を合わせた全用途の平均変動率は、プラスだった前年を0・2ポイント下回るマイナス0・1%で、2023年以来3年ぶりの下落となった。住宅地は下落幅が拡大した一方、商業地と工業地は堅調だった。
基準地価は、土地を売買する際の目安となる1平方メートルあたりの価格。26年の調査地点は、前年から20地点多い337地点になった。住宅地は212から224、商業地は85から90、工業地は15から18になり、林地は5から変更はない。調査地点の増加に伴い、全用途の平均価格は、前年より800円高い3万8600円だった。
住宅地は下落幅拡大、県南部で顕著
住宅地の平均変動率はマイナス0・3%(前年はマイナス0・2%)で、34年連続の下落となった。ただ、平均価格は前年より1500円高い2万9800円。
前年から調査を継続した211地点のうち、上昇は前年より11減の58地点にとどまり、下落は2増の119地点、横ばいは8増の34地点だった。
調査を担当した不動産鑑定士の片岡浩司さんは、「建築費高騰に住宅ローン金利の上昇が重なり、需要が堅調だった県北・中部でも上昇幅が縮小する地域が出始めた」と指摘する。
県内上位10地点のうち4地点が津市だが、市全体に広がらず、変動率は0・3%と、前年より0・4ポイント低下した。鈴鹿市は大型ショッピングセンターや中勢バイパス沿いの宅地開発が落ち着き、0・6ポイント減の0・3%だった。名古屋圏の桑名市も、近年の地価上昇の影響で上昇の動きが鈍くなっている。
過疎化と高齢化が進む県南部では下落が目立ち、最も下落したのは大紀町のマイナス2・3%だった。和歌山県新宮市とつながる道路が開通したばかりの紀宝町は、需要にやや持ち直しの動きがあるものの、後藤雅和・不動産鑑定士は「需要が長い間低迷している」と分析した。
商業地は3年連続プラス、四日市が牽引
商業地の平均変動率は0・3%で、3年連続のプラスとなった。平均価格は前年より500円低い6万3800円。
最高価格地点は、16年連続で近鉄四日市駅に近い四日市市安島1。上昇率も県内トップだった。県内上位10地点のうち四日市市が4地点を占め、いずれも同駅周辺の中心市街地。バスターミナル整備やホテル建設など再編の動きが活発で、需要が旺盛になっている。
伊勢神宮内宮に近い伊勢市宇治浦田1は1・9%の上昇。2033年の式年遷宮を控え、潜在需要が根強いという。
一方、駅周辺や幹線道路沿いの商業施設など集客力が高いエリア以外は上昇の動きが鈍い。津市では、市役所などが立地する丸之内方面は主要駅から離れた立地で、横ばいが目立つ。
工業地は5年連続プラスも上昇幅縮小
工業地の平均変動率は1・1%で、5年連続でプラスだった。平均価格は2万1700円。継続調査した15地点のうち13地点が上昇、2地点が横ばいだった。ただ、昨年の平均変動率1・8%と比べ、上昇幅は0・7ポイント縮小。今後の経済状況に不透明感があり、企業の設備投資が慎重になっていると考えられるという。



