石油化学大手「旭化成」(東京)の技術情報が中国企業に流出したとされる事件で、愛知県警が不正競争防止法違反(営業秘密の開示)容疑で逮捕した元社員の男が「再就職先で認められたかった」という趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材でわかった。県警は男が旭化成を含む複数企業から技術情報を持ち出した疑いがあるとみている。
逮捕の経緯と容疑
逮捕されたのは同社元社員の男(66)で、静岡県富士市に住む。2018年11月、営業秘密にあたる接着剤の技術データが入ったハードディスク(HD)を持ち出し、退職後の24年9月に別企業の関係者にデータをメールで送信した疑いが持たれている。旭化成によると、情報の流出先は中国の化学メーカーだった。
再就職先と押収物の調査
捜査関係者によると、男は電子材料関連の開発責任者などを経て、18年11月に旭化成を退職。その後、名古屋市の化学メーカーなど複数企業に再就職していた。押収されたHDには接着剤以外の技術情報も保管されており、県警が営業秘密が含まれていないか確認を進めるとともに、中国企業と関係を深めた経緯を調べている。
県警は18日、男を名古屋地検に送検した。



